年間100本の映画を見る私が勧める! デトックスにおすすめの泣ける映画10選

【泣いてすっきり、気分転換をしたいときはありませんか?】

 

仕事や人間関係、日常生活においてストレスはつきものです。
うまく付き合っていかなければならないものとはいえ、時にはすべてを投げ出してしまいたくなる時もありますよね。

そんな時におすすめしたいのはずばり「泣く」こと。
思いっきり涙を流すことは、ストレス解消にとても良いのです。

といっても、ただ苦しくて泣いては余計に辛いですし、そもそも手放しで泣きじゃくるのも簡単ではありません。

ここでは皆さんのデトックスを助けてくれる、「泣ける映画」をご紹介していきます。

【泣ける映画10選】

[洋画編]

まず初めに洋画作品を紹介していきたいと思います。

ハリウッドのスマッシュヒット映画から隠れた名作まで、おすすめを大公開します。

 

① アイ・アム・サム(I am Sam)

アメリカ 2001年公開
監督:ジェシー・ネルソン
出演:ダコタ・ファニング、ショーン・ペン 他

知的障害を持つ父親と、幼いその娘の美しい親子愛、そしてその二人を取り巻く人間たちの織り成すヒューマンドラマ映画です。

知的障害のために七歳程度の知能しか持たない父親サムは、娘のルーシーと幸せに暮らしていました。

しかし七歳になったルーシーはサムの知能を追い抜いてしまいます。
娘よりも知能の低い父親に養育能力はない、とソーシャルワーカーは二人を引きはがそうとしますが、サムにはその理由がわかりません。

大好きで、大切なルーシーを返してほしいという一心で、サムは弁護士のリタにお願いをして法廷で戦うことを決めます。

右も左もわからないまま、それでもまっすぐにただルーシーを救うため奔走するサムの姿に思わず涙、涙。

筆者はDVDを止めて、号泣するための時間を作ったほどでした。
物語を彩るビートルズの楽曲も必聴ですよ。

 

② ノッキンオンヘブンズドア(Knockin’on heaven’s door)

ドイツ 1997年公開
監督:トーマス・ヤーン
出演:ティル・シュヴァイガー、ヤン・ヨーゼフ・リーファース 他

とある病院で、余命いくばくもない、と診断された二人が人生の最期に海を見に行くため、マフィアや警察をも巻き込んで逃避行を繰り広げるロードムービーです。

偶然同じ病院に居合わせたルディとマーチンは、互いに余命わずかと宣告された若者同士でした。
マーチンはルディに、「天国じゃ、みんなが海の話をするんだぜ。」と死後の世界での流行を教えますが、ルディは生まれて一度も海を見たことがありません。

どうせ死んでしまうのなら、せめてその前にやりたいことをやろう、と二人は病院の駐車場に止めてあった車を盗んで海を目指します。

実は盗んだ車がマフィアのものだったり、強盗を働いて指名手配されたり二人の旅路は一筋縄ではいきません。
破天荒なマーチンに振り回されながら、それでも刻一刻と迫る死期から逃れるようにルディはまだ見たことのない海へと向かうのでした。

なんでもありのはちゃめちゃなロードムービーという基盤の上にちりばめられた、家族愛や義理人情、そして自らの死と向き合ってゆく二人に涙を誘われます。

マフィアのボスがうっとりと、海に沈みゆく太陽を語るシーンはしびれてしまいました。

死ぬことは決して、悲しかったりかわいそうだったりするばかりじゃないんだ、と教えられる作品です。

 

➂ チョコレートドーナツ(Any Day Now)

アメリカ 2012年公開
監督:トラヴィス・ファイン
出演:アラン・カミング、ギャレット・ディラハント、アイザック・レイヴァ 他

まだまだ同性愛が認められていない70年代終盤のアメリカで、ゲイのカップルが偶然出会ったダウン症の少年を養子にと奮闘するヒューマンドラマ映画です。

歌手を夢見ながら、ショーダンサーとして日銭を稼ぎながら暮らすルディは、客として店にやってきた弁護士のポールと恋に落ち愛し合っていました。

そんな中、ルディのアパートの隣室に住んでいたマルコという少年の母親が、薬物所持で逮捕されてしまいます。
母親の愛情を受けず、孤独に育ってきたマルコをどうにか養子にできないかとルディはポールに持ち掛け、晴れて三人は家族となりました。

血のつながりもマイノリティや障害も関係なく、ささやかながらされど幸福に暮らしていた彼らでしたが、そんな生活に突如暗雲が立ち込めます。
ルディとポールがゲイのカップルであるがゆえに、養育の権利をはく奪されてしまったのです。

二人はあらゆる手段を使ってマルコと引きはがそうとする行政と戦い、彼を取り戻さんと決意するのでした。

ただ愛する人を守りたいという正しい意志が、同性愛者であるというだけで受け入れてもらえないというもどかしさと、自分の意思とは関係なしに法律のはざまで揺さぶられるマルコには胸が締め付けられます。

エンドロールが終わっても、涙が止まりませんでした。

トニー賞受賞俳優であるアラン・カミング演ずるルディの、考えさせられる悲痛なセリフの数々にも注目です。

 

④ BOY A

イギリス 2007年公開
監督:ジョン・クローリー
出演:アンドリュー・ガーフィールド 他

重く暗い過去を抱える青年が、まったく別の人間として新しい人生を歩もうとする、罪を償った加害者の社会復帰を考える社会派映画です。

子供のころに殺人事件を起こした青年が罪を償い、監察司テリーの助言で過去の自分を捨て真新しい人間として社会復帰を試みるところから物語は始まります。

ジャック・バリッジと名を変えて新たな生活に踏み出した彼は、職を見つけ、友人クリスや恋人のミシェルとも出会い更生の道を順調に歩んでいました。
そんなあるときジャックは、クリスと配達の仕事へ出ていた際に偶然遭遇した、交通事故にあった女性の命を救います。

新聞の取材を受けヒーローとまつられる自分に事実を隠していることが心苦しくなったジャックは、テリーの制止も聞かずにミシェルに自分の過去を打ち明けてしまいました。

ほどなくしてマスコミはジャックの正体を暴きたて、クリスとも縁を切られた彼は失意のどん底に落とされます。
しかしこの背景には、父親がジャックに入れ込むあまり嫉妬したテリーの息子、ゼブの陰謀が渦巻いていたのです。

映画の最後に、ジャックとして初めての友人であるクリスに語り掛けるアンドリュー・ガーフィールドの演技は圧巻です。

いくら償えど社会の記憶からは消えない過去の罪と、犯罪者というレッテルに対し、我々は更生しようとする彼らをどのように受け入れるべきなのか、深く考えさせられます。

難しいテーマの一つである犯罪加害者の社会復帰について、あなたはこの映画を見て何を思うでしょうか。

 

➄ ウォールフラワー(The Peaks of Being a Wallflower)

アメリカ 2012年公開
監督:スティーブン・チョボスキー
出演:ローガン・ラーマン、エマ・ワトソン、エズラ・ミラー 他

過去に大きなトラウマを抱えた少年が、一風変わった兄妹に出会い触れ合うことによる心の成長を描いた青春映画です。

チャーリーは友人マイケルの自殺が心の傷になり、孤独と不安にさいなまれながら高校へと進学しました。
なんとなく学校を好きになれないままだった彼でしたが、学校で出会った上級生のパトリック、その義妹のサムと出会い少しずつ変化していきます。

チャーリーは二人を通じて多くの人と出会い、文学や音楽、そしてドラッグにも触れ、やがて恋もしました。
これまで経験したことのなかった様々なものと触れ合うことで成長を感じる彼でしたが、どうしても拭えないわだかまりがありました。

一年が過ぎ、パトリックとサムが高校を卒業し大学へ進学するために町を出るときに、チャーリーは自身の中に眠っていた本当のトラウマと対峙するのでした。

揺れ動く思春期の危うくも華やかな感情の機微に触れる描写は、青春時代を思い起こさせるのではないでしょうか。
一人の少年が自信と向き合い困難を乗り越えていく姿に胸が熱くなります。

 

⑥ ブロークバックマウンテン(Brokeback Mountain)

アメリカ 2005年公開
監督:アン・リー
出演:ヒース・レジャー、ジェイク・ジレンホール 他

アメリカ中西部を舞台に、カウボーイ二人の20年間にも及ぶ愛の軌跡を描いた恋愛映画です。

1963年夏、ワイオミングのブロークバック・マウンテンの山中で羊の放牧を行う季節労働者として、牧場で働くイニスとロデオ乗りのジャックは出会います。
山の中での厳しい労働を通じて友情を深めていく二人でしたが、ある夜ジャックの軽口をきっかけに一線を越えてしまうのでした。

労働契約が終了し、再開の約束もしないままに別れ、やがて二人は別々の女性と結婚し家庭を持ちました。
四年後、あきらめきれずにいたジャックがイニスのもとを訪れ二人の愛は再び燃え上がります。

しかしそんな幸福も長くは続かず、イニスの妻アルマに関係がばれてしまったり、イニス自身に家庭を手放す気はなかったりすることから、年に数度だけ人目を忍んで逢瀬を交わす関係となり、月日を重ねるのでした。

同性の恋愛など到底認められていない時代、地域で武骨なカウボーイがひそかに愛をはぐくむさまは微笑ましくも切なく、ラストシーンには思わず涙がこぼれます。
数多くの映画祭で賞を受賞し、セクシャリティ問題について世の中が改めて目を向けるきっかけとなった作品でもあります。

 

[邦画編]

続いて、日本の作品を紹介します。

舞台が身近な分、映画にも入り込みやすいのではないでしょうか。

 

⑦ ピンポン

日本 2002年公開
監督:曽根文彦
出演:窪塚洋介、ARATA(井浦新) ほか

松本大洋による漫画原作の、卓球を通して揺れ動く少年たちの友情や、心の葛藤、成長に触れた青春映画です。

片瀬高校一年生、卓球部員のペコとスマイルは、かつて同じ卓球道場に通った幼馴染でした。
破天荒でマイペースなペコに振り回されがちなスマイルでしたが、小学生のころにいじめられていたところを救われた彼にとって、ペコはゆるぎないヒーローなのでした。

ある日、中国のナショナルチームから落ち日本へやってきた中国選手がいると知ったペコは、部活をさぼりスマイルを連れ道場やぶりに向かうも、返り討ちにあいます。
たいていの相手には負けなしのペコは、あまりに簡単に飛ばされてしまった事実にショックを隠しきれないまま、インターハイ予選が始まります。

スマイルはペコを負かした中国人選手、孔を追いつめその秘められた才能に一躍脚光を浴びますが、一方のペコはもう一人の幼馴染、アクマに惨敗しすっかり心を折られてしまいます。
さらにスマイルが、無許可の対外試合にやってきたアクマを負かすところを目撃し、失意に暮れたペコはついに自分のラケットを燃やしてしまうのでした。

大好きだった卓球を一度は手放してしまうペコでしたが、「才能あるんだからよ」というアクマの一声により再奮起します。
これまで同じ道の上を歩んできたペコとスマイルは、再び同じコートに立つために、別々の場所で成長することにしたのです。

自分自身の、そして自分の信じてきたものの弱さを認め、心を育ててゆく少年たちに目頭が熱くなります。

中でも、ペコの覚醒シーンはイチオシで、何度見ても強烈なかっこよさに鳥肌が立ちます。
ヒーローペコを通して救われる人々の、表情の変化も見所ですよ。

 

⑧ 湯を沸かすほどの熱い愛

日本 2016年公開
監督:中野量太
出演:宮沢りえ、杉咲花、オダギリジョー 他

とある銭湯を舞台に、余命わずかと診断された母親を中心として、ぐらついていた家族が立ち直っていくヒューマンドラマ映画です。

銭湯「幸の湯」を営む幸野家でしたが、父、浩一の出奔をきっかけに現在は休業中。
母、双葉は持ち前の明るさと器量で一人娘の安澄を女手一つで育ててきました。

しかし双葉は突然、末期がんにより余命わずかという宣告を受けてしまいます。
その日から彼女は、自らの死までに絶対にやっておくべきことを決め、実行するのでした。

・家出した夫を連れ帰り家業の銭湯を再開させる
・気が優しすぎる娘を独り立ちさせる
・娘をある人に会わせる

双葉の思いはやがてばらばらだった家族を強い絆で結びなおし、彼らを取り巻く人間たちをも救済します。
そして、家族の中に隠された秘密も、明らかになっていくのでした。

日本アカデミー賞をはじめ、多くの映画祭で受賞した圧巻の家族物語です。

衝撃のラストには、思わず息をのんでしまいます。

 

⑨ 青い春

日本 2002年公開
監督:豊田利晃
出演:松田龍平、新井浩文 他

男子校の不良生徒たちのほの暗い「青い春」を生々しく切り取った、青春群像劇です。

朝日高校の不良少年たちの間で、その年度の番長を決める際に行われる「ベランダ・ゲーム」。
屋上の柵の外に立ち、何回手を叩くことができるかを競うゲームで、だれよりも多く叩いた者が学校を仕切ることができる、というしきたりでした。

失敗すれば真っ逆さまに校庭にたたきつけられる、チキンレースを制したのは、グループの中でもひときわ物静かな九條という少年でした。
彼はグループの面々から尊敬のまなざしを一身に受けることとなります。

しかし九條にとっては学校を仕切ることも、ゲームで勝つこともどうでもいい無意味なことだったのです。
中でも九條の幼馴染で、彼に強くあこがれていた青木は、せっかく権威を得たにもかかわらず無気力に過ごす九條に反感を持ち、やがて二人の友情はすれ違っていくのでした。

思春期の得も言われぬ気だるさ、行き場のない暴力を、前途あるはずだった少年たちのドロップアウトとともに描いたあまりにもやるせない青春に切なさがこみ上げます。
THE MICHELLE GUN ELEPHANTの楽曲が奏でる歪んだギターサウンドが、彼らの無情な「青い春」を際立たせてるところにも注目です。

 

[番外編]

最後は番外編、韓国映画の紹介です。

あまり触れたことのないという方も、この機会に新たな世界をのぞいてみてはいかがでしょうか。

 

⑩ 嘆きのピエタ(피에타, 英題: Pietà)

韓国 2012年公開
監督:キム・ギドク
出演:イ・ジョンジン、チョ・ミンス 他

天涯孤独に生きてきた借金取りの男と、彼のもとに突如現れた母親を名乗る女性との奇妙で切ない関係を描いた映画です。

30年間、親の顔も知らずたった一人で生きてきた男、ガンドは、債務者に重傷を負わせてその保険金で利子の膨らんだ借金を返済させる鬼のような取り立て屋でした。
そんな彼の前にある日、母親を名乗る女性、ミソンが現れます。

もちろんガンドはそんな話を信じず彼女を気味悪がって追い返しますが、ミソンは幾度も彼のもとを訪れます。
ガンドは母親である証拠を求めますが、彼女は何も語らないまま、ただ捨てたことを謝罪し続け、無償の愛を与え続けるのでした。

そんなミソンを、彼は次第に母親として受け入れ、二人の奇妙な共同生活が始まりました。
親のなかったガンドにとって彼女はかけがえのない存在となり、二人でまっとうな暮らしをしたいと借金取りから足を洗おうとした矢先、ミソンが突然姿を消してしまいます。

彼女の身を案じる彼にかかってきたミソンの悲鳴と、「助けて」という電話に、かつて取り立てをした債務者の復讐だと確信したガンドは、債務者たちの家を回っていきますが、そのなかで衝撃の事実が明らかになっていくのでした。

血も涙もないように思えたガンドがミソンに触れて人間らしさを取り戻し、親子としての生活に幸福を覚える描写には胸が痛みます。
残酷なまでに悲しい結末に、がっくりと肩を落とさずにはいられません。

 

【おわりに】

洋画、邦画、そして韓国映画から、様々なジャンルの泣ける映画を紹介させていただきましたが、いかがでしたでしょうか。

幸せの涙であったかい気持ちになるもよし、どん底まで悲しみに暮れて思い切り泣くもよし、好みのスタイルを見つけてすっきりストレス発散しちゃいましょう。

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